連続ドラマ・白線流し


卒業までの半年で答えは見つかるのだろうか?

白線流し(連続ドラマ)

今更ではありますが、白線流し、についての個人的な感想コーナーです(^^)
ここでは名作の誉も高い、連続ドラマ・白線流し、について感想を書きたいと思います。

高校生って何だろう?
大学生になるためのステップ?
社会人になるまえの準備期間?
オトナほど賢くないけど、コドモほど無邪気でもない中途半端な季節
みんなニコニコしているけれど、本当は退屈しているはずだ

高校時代ってこんなものかしら?
卒業までの半年で答えは見つかるのだろうか?
そして将来、今の時代を懐かしむことができるのだろうか? (by 園子@プロローグ)

いいドラマでは根強いファンを獲得し、その後にも長い間語り継がれます。さい@さいの「いいドラマ」の定義はこの「長く語り継がれる」ドラマであることです。また、後に「名作」と言われるドラマでは内容が良質であることに加え、そのドラマが後世代表作となる俳優さんを生み出すこともよくあるみたいです。「白線流し」は視聴率的には普通でしたが当時の同世代(中高生)の圧倒的な支持を受け、また出演した酒井美紀さんや京野ことみさん長瀬智也さんの代表作ともなりました。特にヒロインを演じた酒井美紀さんの出世作としては誰もが認めるところだと思います。

等身大の若者たちの成長ドラマ

「白線流し」自体は高山にある名門高校(岐阜県立斐太高校)の卒業の伝統行事です。この「白線流し」をモチーフにして、更にひと山越えた松本に舞台を移して、ドラマ「白線流し」は製作されました。製作はフジテレビ、放送は1996年の1月〜3月(木曜22時枠)です。

3ヶ月の放送期間に6ヶ月の制作期間

さい@さいは民放の連ドラはあまり好きではないのですが、その理由のひとつに、いまの民放の連ドラの多くが「量産的である」ということがあります。ひとつの放送局で週に4枠もドラマがあるようなドラマ量産時代ですから、1つのドラマを時間をかけてじっくり作るなどあり得ないことなのだろうなとも思っています。いまドラマで放送前に全部の撮影を終えてしまうのは、民放では単発ドラマだけ、NHKでは大河と朝ドラを除く全ドラマということだそうです。ほとんどの民放の連ドラは作りながら放送しているのが現状なのです。まぁ韓国ドラマほどではないのかもしれませんが‥(^^;。本当は放送前に全部ができているくらいの余裕があったほうが全体的に良質のものになることが多いようです。そして、さい@さいが民放ドラマよりもNHKドラマを結果的によく見るのはそんなところに理由があります。ただ、民放でタイトなスケジュールでドラマ撮影をするのは、決して民放にその能力がないからではなく、きっとその時間的余裕を許されていないからなのだろうなと思っています。

ドラマ「白線流し」は民放のフジテレビ製作でしたが、3ヶ月間の連続ドラマの為に半年の時間をかけて、じっくり丹念に撮影が進められたようです。これは民放の連続ドラマとしてはかなり時間を割いて作られていた方なのではないかと思います。

若者7人の群像劇が、みなの記憶に残る名作ドラマに

若手俳優中心の主要メンバー構成

このドラマでまた特筆すべきは、客寄せパンダ的な「有名俳優」をあまり用いていないことがあげられます。成長株ではあったと思いますが、当時まだ若手だった俳優さんたちを主役〜準主役の7人に抜擢していました。もちろん、長期ロケを行う中では売れっ子俳優さんをずっとそこに留めて置くことはできなかったでしょうし、また成長ドラマとして追っていく中ではそんな人は最初から必要なかったのかもしれません。

ただ、そんな若手を中心に構成されたドラマだったので視聴率的にはかなり苦戦したようです。若い出演者に対して、放送した枠が比較的オトナのドラマが多い、夜10時台のドラマ枠だったのも視聴率的に苦しい原因の1つだったのかもしれません。他のHPに書かれていたことですが、放送当時の新聞のテレビ欄には白線流しのトコだけ聞いたこともない俳優さんの名前がゾロゾロ並んでいた‥とのこと。そんなことも原因だったかはわかりませんが視聴率的にはごく平凡だった、それでも特に同世代(中高生)からは圧倒的な支持を受けた‥、そんなドラマだったようです。特に学校通学世代はクチコミによる情報伝達があるので、話題なると世代内であっという間に広がります。そういった対象層をとりこんで、更にかつて若者だった大人たちにも郷愁と共感を呼び起こす内容を維持することに成功したのだと思います。

「記憶に残る」ドラマ

有名俳優を使わずに視聴者をひきつける‥。これはきっと内容の勝利ということなのでしょう。これぞドラマの原点ですね。そのような良質なドラマ内容に加え、さらにロケ地松本の四季の映像の美しさなどもこのドラマを見た人たちみなの心に印象を焼き付けることに成功したようです。「記録に残る」ドラマよりも「記憶に残る」ドラマを目指して、その結果みなの「記憶に残る」ことで「記録にも残る」ようなドラマになったのかもしれないな、と思っています。

成長記録ドラマの壮大なプロローグ・ドラマ?

さい@さいがドラマを知ったきっかけ

実は私は連ドラ放送当時はまったく見ていませんでした。再放送を見たのも、何年か前のスペシャル放送に先立ってあった連続ドラマの再放送をみたときです。既にショムニで有名になっていた京野ことみさんや、また馬渕英里何さん、そしてそして‥特に‥酒井美紀さんの可憐さには驚いてしまいました(ホント無茶苦茶可愛いじゃないですかぁ〜。。またその時にたまたま見た回が4話目だったというのもヨカッタのかもしれません(駅でのすれ違い〜踏切でのシーンのある重要回です)。

酒井美紀さんのこと

主役の酒井美紀さんは本当に可憐で、また可憐だけでなく演技もかなり達者で、特に泣く演技が見事だったと思います。私も含めて、きっと多くの人にとって「酒井美紀」といえば、いまだに「七倉園子」だったりもするのですが、この健気で頑張り屋で泣き虫のヒロインを演じるのにピッタリの人材だったと思います。酒井さんなしには白線流しの成功はなかったかもしれないなと‥。酒井さんはこのドラマの前にこれも彼女の出世作の1つとして評価の高い岩井俊二監督映画「LoveLetter」で中山美穂さん演じるヒロインの中学時代を演じています。そのときの相手役が柏原崇さんで、彼はこのドラマでは長谷部優介を演じています。黄金コンビですね。笑

ところで、初っ端(第1回)、七倉園子は長谷部優介にキスされるのですが、(そしてその結果、部室から逃げ出した園子は大河内渉とぶつかり出会うのですが‥)、このこと(園子と優介のキス)なんかは、先に公開されていた岩井監督の映画(そちらでの2人は中学時代の淡い恋のパートナーだった)とも絡めて考えるとちょっと甘酸っぱいものがあります(まぁ、白線流しではヒロイン・園子の恋のお相手は長瀬くん演じる大河内渉となるのですが‥)。

若手俳優を集めた意味

さて、「白線流し」で若手俳優さんたちは、どうやら受験を控えた最後の高校時代の為だけに集められたのではなかったようで、このドラマは最初からその後の成長記録を追っていくように狙って企画されていたようです。フジだと「北の国から」が有名ですし、また他局でも「ふぞろいの林檎たち」のような成長ドラマがありましたね。多感な高校時代に得た仲間たちがその後影響を与えあって成長していく過程を追った壮大なプロローグという位置づけで作られていたドラマなのかもしれません。

そしてそのことを実行するかのように、このドラマは連続ドラマが終了した後もほぼ2年毎にスペシャルドラマとして続編が製作されていて、彼らのその後の成長が描かれていっています(そしてこの企画は現在も進行中だと思います)。

 

夢をみつけること、夢をあきらめないこと


何もできないからって何もしない‥、一番ずるいよね ‥渉さんもそう見える (by 園子)

とにかく名台詞の多いこのドラマ、特に酒井美紀さん演じる七倉園子が反省を込めて、または希望を込めて、口にする言葉にはとてもいいものが多かったと思います。このドラマで園子は毎週毎週何かしら1つは心に響くような名セリフを言っていたって感じです。

太陽と惑星

舞台は長野県松本市。県下でも有数の進学校に通う仲良し5人組(七倉園子(酒井美紀)、飯野まどか(京野ことみ)、橘冬美(馬渕英里何)、長谷部優介(柏原崇)、富山慎司(中村竜))は受験勉強に追われながら何を目的で生きていくのかなどの悩みも持ちつつ、それでも目前に迫った受験のために勉強に明け暮れている。そんな中で園子は同じ学校の定時制に通い、園子と同じ机をつかっている大河内渉(長瀬智也)と知り合います。渉の工場仲間の汐田茅乃(遊井亮子)を含めての7人がこのドラマの主要メンバーです。

主人公の渉は工場で働きながら定時制に通い勉強をしています。将来、亡き父親の携わっていた天文の仕事をしたいと願っていますが、家庭の事情などから大学への進学も断念せざるを得ない状況に追い詰められており、自分の天文への夢も半ば諦めかけています。

そんな渉からみると、親の庇護の下に青春を謳歌する園子たち全日制の生徒は眩い「太陽」であり、彼らの影となっている自分たちを「惑星」にたとえ、一生太陽の周りをまわるだけ、自分で光ることもできないといい、太陽には決してなれない存在であると卑下します。一方、自分の夢をまだ見出せない園子にとっては、何のとりえも夢も持たない自分が太陽(園子のいう太陽=自分で輝く、他人に何かを与える)ではないといいます。園子は自分が将来何になりたいか、そのために何をすればいいのかがよくわからないのです。そんな自分が太陽であるわけないと考えています。

(渉)
星が好きならわかるだろ‥
太陽の周りをぐるぐる回っている惑星は、
結局一生回り続けるだけなんだ

それに‥、太陽がなければ光ることもできない
あんたたち太陽には、惑星の気持ちなんか分かんないんだよ

(園子)
太陽なんかじゃない
太陽なわけ‥ないじゃない‥

私、‥輝いてない
誰にも、何も、与えられない‥
何にもないのに‥自慢できること、‥夢も‥
太陽なんかじゃないですから‥

第3話、天文台での名シーンから。園子は、自分で仕事をしながら天文の夢を持っている渉にどんどんと惹かれていってます。一方の渉は突然に自分の世界に入ってきた園子という異界の人?に戸惑っている様子でもあります。渉にとっては住む世界の違う人間ですからね‥園子は。

目が‥とても綺麗

一方の園子は、将来の夢を持っている渉(亡き父親の携わっていた天文の仕事をしたいと思っている)を応援し、その夢の実現を願い、励まします。そして渉を応援していく中から、今は何もない自分でも、将来渉のように何かを見つけることができる人間になりたい、渉のような綺麗な目になりたいと願っています。

私も‥もっといろんなこと知って、いろんなものを見て
貴方のような目になりたい
同じものを見て、同じように感じたい
本当にそう思うんです

貴方はもう独りぼっちじゃない
あんなに遠くの星でもそれを見ている人が必ずいるように
私、あなたのことずっと見てます
夢が叶いますように、って‥ずっと見てます

だから‥、だから‥、貴方はもっと輝いてください

第6話、夜中の星空の下、公園での2人です。まだ自分で何かができる自信のない渉に対して園子が一所懸命に励ましているところです。園子は渉の夢を常に応援しています。

常に相手を信じて

しかし渉にとっては実生活は現実問題であり、夢を諦めてしまいたくなったり、また時折、自分を卑下するような発言をしてしまったりします‥。そんなときでも園子は渉に対し励まし、時には叱咤したりもして応援していく様子が物語の随所に見られます。

(園子)
記憶が‥もどらないの‥
雪崩のショックで、私たちのことも思い出せないの‥
忘れちゃったの‥

(渉)
羨ましい話だな、俺なんか忘れたい記憶ばっかだよ
できるんだったら代わってやりないな

(園子)
そんないい方しないで!

第8週、遭難した慎司の意識がようやく戻ったものの、記憶を一時的に無くしてしまったことが判ったその夜。山に登る直前の慎司の訪問を受けていた渉が病院にやってきて、廊下にいた4人(園子、まどか、冬美、優介)と交わした会話の最後、渉と園子とのやりとりです。

実はこの前、クリスマスに園子は渉に一方的にフラれてそのままになっていました。園子はフラれて以来久しぶりに渉に会ったのです。渉が病院に現れた際にその驚きが表情で表現されていますね。しかし、ここでのやりとりで園子は、渉が自分の境遇を蔑んで、慎司の記憶が戻らないことを「自分には思い出したくない記憶ばかりで代わってやりたい」といったその発言に対して怒っています。怒っているというより渉を叱っている感じです。「俺なんか忘れたい記憶ばっかだ‥」のあたりに、園子は渉の後ろ向きさを敏感に感じたのではないかな‥と思いました。

このあたりなど、本当に園子の性格がよくでているなと感じます。少し前に渉に理不尽なフラれ方をしているのに、渉を恨むのではなく、渉の後ろ向きな姿勢を咎めているのです。涙目で、それでもまっすぐに渉を見ている園子に対しては、渉もバツが悪そうにその場を後にしましたね。園子はきっといつでも渉を信じて、応援していて、渉がくじけそうになる(ヒネたり、いじけたり、諦めそうになる)と一所懸命にサポートしようとしている‥そんな感じです。

 

友を応援すること、友に応援されること


口ではいくらでも言うくせに‥自分は何にもできない (by 園子)

園子は渉を、そして渉だけでなく優介や、冬美や、茅乃も応援しますが、彼らが障害を乗り越え前進し始めたとき、今度は自分自身の成長のなさに焦りを感じてしまいます。それが受験に対しての焦りにもつながり、そしてそこから逃げ出したいと思っている自分に任せ、2次試験当日、産気づいた人を見つけてその人を病院に連れて行って最も大切な本試験を放棄してしまいます。

医者の娘としてよくやったと慰める父親に対して、その行動を疑問視する母。なによりも当事者の園子自身が自分は単に試験から逃げたかっただけでその口実に善行を利用しただけなのではないかと悩みます。

違います。私‥私が利用したんです
きっとどこかで試験から逃げたいと思ってて‥だから‥
本当に、ただ助けようと思って試験に行かなかったか分からない
きっとちょうど良かったんです、逃げ道欲しかったんです

最低です、‥私
他人に頑張れとか、きっと出来るとか、‥口ではいくらでも言うくせに‥自分は何にもできない
みんなはどんどん強くなっていくのに‥私はプレッシャーに負けて‥
焦れば焦るほど駄目で‥

園子は渉を応援することによって、自分も夢を見つけたい。渉と同じような綺麗な目になりたいと願っていました。しかし現実には周りの皆がどんどん先に行くのに自分が何もできていないと感じるプレッシャーに負けて大学の入学試験から逃げてしまったのです。試験から逃げたい、というのは現実の受験生の誰もが一度は考えそうことですね(本当に実行する人がどれだけいるかは別として)。このあたりも同世代の人たちから共感を大きく得る要員なのかもしれません。ヒロインがある意味決して強くはなく、土壇場で逃げ出してしまうのですから‥。

ただそこはさすが園子で、そんな自分のふがいなさをすぐに反省しています。他人の夢を応援することはできても、自分自身が何もできていない‥。「口ではいくらでも言うくせに‥自分は何もできない」というあたりのセリフがかなり重い言葉です。自分のことがちゃんとできている人にしか他人を応援する資格はないのでしょうか?

与えること、輝くこと

俺は太陽だと思う。お前、太陽みたいだよ (by 渉)

そこに外で聞いていた渉が入ってきます。担任の小澤先生がいるのに敢えて天文部部室に入ってきた渉にはよくぞ入って来てくれたという感じです。これまでの渉だったら遠慮して入っては来なかったかもしれません。「俺、定時制ですから‥」といいながらも園子に話しかけたかった、園子を慰めたかったのでしょう。

背中押してくれたろ?
お前やあいつら、背中押してくれたんだ‥

お前がここまで連れてきてくれたんじゃないか
いつも誰か助けてるじゃないか
誰かを元気づけたり、勇気づけたり、見返りなしにいろんなもの与えてる‥
‥知らないうちにそうしているんだよ‥

いつかお前天文台で、自分は太陽じゃない、って言ったよな‥
俺は太陽だと思う。お前、太陽みたいだよ。

これまでに渉はずっと園子から励ましの言葉を受けてきました。でも渉が園子を励ましたのはこのときがはじめてだったのではないでしょうか?園子が迷っている、落ち込んでいる、いまだからこそ渉が敢えて天文部の部室の扉を開けて園子に会いにいったのでしょう。そして、その役割を渉にゆずってそっと部室をでていく小澤先生(余貴美子さん)とてもいい感じです。

さて、試験に逃げてしまって落ち込んでいる園子に対して、渉は、「お前がここまで連れてきてくれた」といってます。頑張って、頑張ろうとしてそれでもダメだったらそれはそれでしょうがないことです。だからといって他の人との接触を断ってしまってはその方が問題です。園子は前に渉に対して「太陽なんかじゃありませんから」と自分のことを言ってました。そんな園子に、渉から「お前、太陽みたいだよ」といって貰うことこそがあの場面の園子にとって一番の励ましになったのだろうな‥、と思います。

個人的な見解ですが、太陽は他人にも恩恵を与えますが、その他人の為に輝いているわけではありません。太陽は自分の為に輝き、その熱い輝きがほかに場所にも伝わって結果的に他人にもいろいろな恵みを与えるのです。園子が渉の太陽になりえたのは、渉の為に自分を犠牲にしようとしたからではないと思います(それなら茅乃の方が一枚上手でしたし‥)。自分の夢を見つけて追い求めたい、自分の夢を見つけるためにいまは夢を持つ渉を応援したい、という一途な気持ちと、加えて渉を常に信じる純真な想いが、頑なだった彼の心をゆり動かしたのだと思います。そしてその行為に根ざしたのは自分自身が前進したい(貴方のような綺麗な目に私もなりたい)という園子自身の向上心だったと思います。

 

それぞれの成長・卒業

このドラマでは、園子や渉はもちろんのこと、7人の仲間たちみんながそれぞれに成長していってます。皆が最後の半年間でどのように成長し卒業していったのかについて自分なりの意見をまとめてみました。

七倉園子

卒業したいもの‥「勇気のない自分」

ドラマのヒロインだけあって、エピソードも多いです、でもその割には園子がドラマ内で非常に成長したという印象はあまり受けません。園子は非常にゆっくりと成長する大器晩成型?のようです。もしくは、もう完成されてしまっているか‥ですね。最終回、自分たちの白線流しをするときに、スカーフに自分が卒業したいものとして「勇気のない自分」と書いていましたね。

ドラマ中の園子は、むしろ最初からいいところをたくさん持っている女の子として描かれていたと思います。無心で他人を応援する姿勢は実は誰もができないことで、園子みたいにはなかなかできるものではありませんし、実際に高校生でそんな人は少ないとも思います。

園子のエピソードで大きいのは、後述する受験の本試験から逃げ出したことかもしれません。普通はしませんよね。この「普通の人はしない」ということをしてしまう部分では逆に、園子の強さ(試験から逃げたいと思って、本当に逃げてしまう)がでたのかとも思ってしまいました。また、ドラマの最初の方で、まどかから「他人に踏み込んでいない」とも言われていましたけど、しかしながら、そのあとの渉に対しての行動は非常に積極的で、園子凄いな〜、と関心することが多かったです。

私が園子に感じることは、非常に行動力があるなということです。こうと決めたらそうする。本当にそれを実行するところが凄いのです。渉への手紙、待ち伏せ?、電話もそうですし、また不良に絡まれても泣いたりせずに茅乃に食って掛かってましたね。でも何をするのかを決めるまでにはかなり悩んでいるようです。園子の「勇気のない自分」の「勇気」とは、「決断する」ってことなのかもしれません。そうと決めたらそのあとの行動力はもともと凄いのですが、決めるまでにけっこう悩んでいる。自分が何になりたいのかについても、結局仲間ウチでも最後まで「決められずに」悩んでいたのが園子でした。

では、行動力抜群(〜笑)の園子は、なぜ本試験に行かずにこれを放棄してしまったのでしょうか?園子はあの時点で信州大学に行ってから自分が何をしたいか、将来何になりたいのかの目標を「決められずに」試験日まで来てしまったのが原因なのかなと思います。試験をする自分自身の将来に対する動機付けが不十分で、試験に集中できていなかった、というか試験を受けること自体の意味が納得できてなかったではないかな‥と。

それでも渉の為に、大学に合格するという「枷」を自分にはめて頑張ろうとしますが、そんな状態からは逃げ出してしまったのでしょう。自分のための動機がなく、他人のためだけに行うことから逃げてもこれはしょうがないことかもしれませんね。ドラマの最後に、皆の成長を見守っていた園子は、その見守って送り出すことが仕事である「教師」という職業を自分の将来の夢と決めます。この決定こそが園子の成長なのかなとも思います。

大河内渉

何もしないで諦めるの‥もう辞めたんだ

彼はどれほど成長しているのか‥それはちょっと疑問ではありますが。園子とはまったく逆に、自分の将来の夢は持っていたものの、それを実現するための努力を既に諦めてしまっていたところがありましたね。もっとも、親の援助なしに、普段の生活から頑張って高校にも通っている渉からすれば、大学にいって天文台に勤めたいというのは本当に夢のような話で実現が難しいと思うのは無理ないことなのだろうなとも思います。

園子は、「何もせずに諦めている」といいますが、実際に渉にそれを要求するのはかなりキツイかなとも思います。働きながら勉強して大学に合格しろというのは‥正直かなりきついですね。でももともと渉は頭はよかったみたいですし、定時制に通っているのも純粋に自分の学費を稼がなければいけない経済的な理由からだけのようですので、やる気を出したあとのスパートはもの凄かったみたいです。

さて、勉強以外の面、特に恋愛面では渉は成長しているのでしょうか?これはなんかほとんど成長がないのかもしれないな‥と思ってしまいます。特にそのあとの続編などでのエピソードも考えるとますますそう思えてしまいますね。

長谷部優介

卒業したいもの‥「机上の空論」

彼は本当にドラマ内での成長が著しい感じでしたね。最初の数話での彼はなんか、私達の持つ悪い面(負の面)を全部併せ持っているような「悪いやつ」としてでていましたからね。園子に突然キスするとこから始まって(‥笑)、自分の理由だけで一方的に解決してしまうとことか、園子には応援すると言いながらも茅乃をけしかけて園子と渉の邪魔をするとことか‥。彼の起こす稚拙な行動をみると、まるで昔の自分をみているようでドキドキしてしまいます(あそこまで秀才ではなかったですけど)。〜汗

でも優介は、ちょっと勉強のできる(というか、勉強中心に考えている)世の中の高校生にありがちな行動や考え方をしていただけなのではないかなと思います。悩みとか、卑屈な行動とかものめり込んでいる当事者にとってとりがちな、かなりリアルなものだったかなという感じです。茅乃をけしかけて、そのあと自己嫌悪に陥って、慎司とカラオケに行って酔っぱらって「僕は〜ダメ人間♪」と歌うとこなんか‥とてもいいですね。

勉強(学力)に対しては最初から最後までかなり安定してましたけど、人づき合いに関してはかなり変わった(成長した)なという感じです。園子に対する愛情に関しても最初は自己中心的な感じでしたけど、園子が渉と付き合いだして、特に2人がお互いに両想いになったドラマ後半からは本当に応援側にまわって、そのあとの優介の園子に対する感情や行動、考え方は常に好意的なものだったと思います。他人をちゃんと思いやっているというか‥、自己中心的ではなくなりましたよね。優介が発端となって園子が茅乃に襲われた事件後、自分の親に渉のことを酷く言って、慎司に掴みかかられた後あたりから優介は大きく変わっていったと思います。

この「白線流し」が成長のドラマだとしたら、ドラマの中でいちばん成長しているのは間違いなく優介でしょう。まあ最初が低かったから、というのもあるかもしれませんけど‥ね。〜笑

飯野まどか

卒業したいもの‥「甘い物」

白線流したときの「甘い物」はちょっとウケ狙いっぽかったですね。でもまどかの「甘い物」が、放課後に誰かと一緒に食べに行っていたことなどと考え合わせると、「甘い物」との決別とは「他人に依存しない」ことなのかもしれません。これはスカーフに書いている途中で冬美が云った「甘えた自分」に近いですね。冬美はかなり観察力が鋭かったですし、本当はこれが書きたかったのを先に冬美に言われてしまったのでとっさにごまかしたのかもしれません。

まどかは、当初常に慎司がそばにいてそれが当たり前になっていましたが、でも慎司とけんかしたときなどには、冬美や園子、優介にまで一緒に甘いものを食べに行こうと誘ったりもしてました。また、東京に行くときも、受験大詰めの慎司に一緒に行かないかと誘っていましたね(そんな暇ないと断られてましたけど)。実は、まどかは、いまどきの高校生によくあるように、常に誰かと一緒にいないと不安だったりするのかな、と思うわけです。それはここでいう「甘え」でもあるわけです。

とすれば「甘い物」を通しての付き合い(=寄り添うだけのつき合い)からの卒業という風にも考えられますね。彼女がスカーフに書いた「甘い物」とは、それを通しての誰かとのおつき合いの中に居場所を見つけて安心する「甘えた自分」の比喩的表現でもあるわけです。

まどかは、いつも思ったことをズバズバといっていて、それが園子や慎司、渉なんかにもドキッとするような真実をいってたりもしたわけですけれど。でもそれを言い放つときの状況はちょっと問題ある場面も多かったですね。よく、まどかが追い詰められて(誰かに叱咤されて)、その反撃という形でいってたりもしましたからね。普段からズバズバと指摘してれば凄いんですけど、普段直接本人には言ってないんですよね。でも、欠点のない人間はいないのですから、そういったのも含めて、あと竹を割ったようなあの性格は愛すべきまどか自身のキャラなのだと思います。

普通の高校生がそうであるように、まどかも自分の進路に対してはあまりちゃんと考えていませんでした。志望大学を、東京に行きたいからっていう理由で東京の大学を希望してましたし、その中でも行きたい町の近くの大学とかって考えていましたからね。また、一緒にバカやっていると思っていた慎司が成績を上げて自分が抜かされたというだけでむしゃくしゃして万引きしたりして‥。さらにその行動を園子に咎められて反発して‥と、なんか等身大の高校生って感じでした。園子は考え方とか行動力とかちょっと今の高校生とは違うって感じですが、いちばん現役高校生に近いのは実はまどかなんじゃないかなって思います。

まどかが大きく変わるのはやはり慎司の遭難でのことだったのでしょう。慎司のことについても一緒にバカやっていた異性という存在から、その一歩先に進んだ感じでもありましたね。まどかはただ楽して東京に行きたい(&成績で抜かされた慎司を出し抜きたい)という理由からだけで決めた推薦入学を取り消して、結局は看護婦さんになる道を選ぶのですが、まどかの性格から考えてもピッタリの職業かもしれませんね。慎司&まどかは白線流しの中でも本当に愛すべき、ある意味理想的なカップルだと思います。

ちなみに、まどかを演じた京野ことみさんは、ご本人の性格的にはかなりまどかに近いそうです。地でやっていたのでしょうか?〜笑、まどかを演じている中で凄いな〜と思ったのは、連ドラでは第8週、病院に来た渉に噛み付いて「疫病神〜!」のシーン。またスペシャルでは、SP2で木崎湖に皆で行ったキャンプで冬美が飲んでいた薬(睡眠薬、精神安定剤)を見つけて「冬美〜」と問い詰める場面。凄い演技だなと思いました。あと、SP5でブランコに乗って泣かない園子の代わりに泣く場面もいいですね。いい役者さんですね。

富山慎司

卒業したいもの‥「優柔不断」

慎司は最初はなんかバカやってるなって感じの男でしたが、いちばん良いやつという感じですね。変なクセもなく、7人の仲間の中では一番バランスの取れているヤツって感じです。とにかく最初からまどかを一番大切に想っていて、でもまどかだけではなく、自分の友達をも大切に想っているってのは実は慎司なんだろうなという感じです。渉を誰よりも先に友人として認めていたのは慎司でしたし、ドラマの中でもここぞというところで良いセリフを吐いてましたね。正月、河原での「いいなぁと思ったんだぜ」とか。

ごく普通の高校生である慎司は、普通皆がそうであるように、特に自分の将来に対してこれだ、なんてものは持ってなくて、それをまどかから「自分じゃ何も決められない」とかって責められてましたね。慎司がまどかの意見に従うのは、優柔不断というよりも、まどかに対して優しすぎるからかもしれませんし、まどかだって大して変わらないとも思うのですが‥。でも慎司はまどかから言われたことを結構真剣に考えて、自分でも何かをしなきゃと思って冬山に行って雪崩に巻き込まれて遭難してしまいます。

遭難救助でお世話になった山岳救助隊の訓練風景をみて、山岳救助隊に志願するために警察官を志望する(そしてその後本当に救助隊員になった)慎司。進学校で地元の公務員試験を受けようというのもなかなかできる選択ではありませんね。でも自分が将来なりたいものを高校で見つけることができた慎司は素晴らしいと思います。自分の将来の目標を見つけることができたことで、慎司は大きく成長できたのだろうなと思います。

ちなみにこの白線流しの7人組みの中で県下でも有数の進学校である松本北高全日制だった5人のうち、大学に進学したのは浪人した園子も入れてたった2人。こんな個性的なグループは結構珍しいと思います。でもそれは、自分のなりたいものややりたい事をちゃんと見つけようとして頑張った結果なんですよね。いまの普通の高校生はもっと何も考えずに「とりあえず」大学に進学する人が圧倒的かな‥と思いますので。

橘冬美

卒業したいもの‥「ひねくれた性格」

冬美は最初から夢を持っていて、「女優になりたい」と思っていたようです。実家が旅館で、それを継ぐ運命に逆らいたいから‥というのもついでにあったのかもしれません。園子や慎司みたいに、目標がない、特に考えてない、というのとは全然違っていますね。お姉さん気質で、演劇部でも「自分がやらないと‥」と責任感をもってやっていたようですけど、実は‥後輩の新部長からはちょっと煙たがられていたようですね。人間、引き際が大切です。会社とかでも、定年になって役職を降りた人がいつまでも口を挟んで新任の方を困らせるってのはよく聞きますが、なんかそれと同じですね。〜笑

甘え下手な冬美は今の流行でいえば、負け犬気質という感じかもしれません。いつもどこか冷めた目で冷静に自分も周りも見ているところで、観察力は備わりますが、本人にとっては恋愛の主人公には決してなりえず、そこが「ひねくれた性格」ということにつながるのかもしれません。

さて、冬美の目標は、目標というよりも本当に「夢」にも近いもので、「女優になりたい」を実現するために俳優育成所みたいなトコに頼ろうとします。でもソレは入会金を持ち逃げするインチキ会社で、またそんな時に街で声をかけてくれた本物のスカウトさんも、実は横にいたまどか狙いだったりとかして、かなり苦戦を強いられます。それでも結局、初志貫徹して東京の劇団に入るべく上京していきましたね。

よくわからないのですが、芸能人とかってのは、本人がなりたいという願望だけではきっと全然ダメで、「天賦の才」みたいなものが必要なのかもしれないなと感じます。女優の場合は、演技力だけでなく、見栄えなど他人が魅了される何かが備わっているかとかもあるかと思います。とすればスカウトの目にとまらなかった、というのはかなり悪い状況かもしれず、冬美は他の6人と違って本人の努力だけではどうしようもない世界に自分の目標を置いてしまったのかな‥とも感じます。

あと、冬美本人は基本的に自分に帰る場所(将来の安定した仕事)がある(=旅館の女将)、という前提の上で夢を見ている感じでもあるのですが、それは続編(SP2)で無残にも打ち砕かれます(姉がちゃっかりと実家に帰ってきちゃいましたね)。そのときなんか、帰るトコもなくなってかわいそうな感じでもありましたが、それでも次の自分の夢をちゃんと見つけ出してまた頑張る、‥その性格には非常に好感が持てます。

汐田茅乃

卒業したいもの‥「ケンカっ早い自分」

松本北高校の5人を陽とすれば、渉と彼女は陰となるのでしょう。既に学校には行っておらず、相馬製作所で事務員として働いていました。茅乃ちゃんは黙っていると可愛いですよね、喋らせるとヤンキーでしたけど(^^;。渉をめぐって対立する?園子の最強なライバルでもありました。

親に頼れない境遇であるところとか、渉と非常に似たようなところがあって、そういった部分では、渉にとっても茅乃への仲間意識はかなり強かったようです。茅乃の方は最初から渉のことを気に入っていたようですが、渉は特に恋愛対象という感じではなかったのかもしれませんね。茅乃の好意(お弁当を作ってくる)にも、犬に全部あげちゃったりして鈍感でしたからね(^^;

茅乃は渉への好意の証としてなのか、とにかく渉の事を考え一所懸命でした。渉のとこにきた慎司からも「茅乃ってさ、アイツお前の為に一所懸命だったじゃん」とわれてましたね(同時に「園子も園子なりに一所懸命だったけど」、といってましたけどね)。茅乃の渉への献身ぶりについては、園子をして「全然負けてるもん」と云わしめるくらいでしたから。

それでも渉は園子と付き合いだします。「あの子のドコがいいのか」と尋ねた茅乃に対して「好きなものや感じたりすることが似ている」と答えた渉。渉の「天文ガイド」を鍋敷き代わりにしてしまう茅乃にとってはこれは痛いですね。同じ世界(陽のあたらない裏道を歩いている)にいる仲間意識よりも、好きなものとかでつながっている方を選ばれてしまっては茅乃ももういう言葉がありませんでしたね。

茅乃は立場としてはちょうど渉と同じという感じでもありました。家庭の事情についても、父親はいたようですが、実家には寄り付いていなかったようですし‥。渉と同様に、工場で働いて一人で自活していた茅乃でしたが、渉の身代わりに工場を辞めてからはちょっと大変な目にあってましたね。仲間がいない茅乃には自分がついていなければ、ということで渉は園子の元を離れ茅乃と一緒になった渉ですが、茅乃は渉の本心を見抜いていましたね。結局は義務感だけで付き合ってくれる渉の元を去っていってしまいます。東京でホテトル嬢に落ちる寸前だったところを救ったのは、優介や園子たちの茅乃への無償の友情だったのだと思います。

あの辺りから、茅乃は変わりはじめましたね。松本にもどってきてからの茅乃はもう優介や園子たちの仲間って感じでしたね。

 

連ドラ各週の注目ポイント

第1週

優介とのキス〜渉との出会い、本のとり違え

アルバム委員として天文部室で無邪気に2人で話していた園子が突然の優介からのキス。慌てて逃げ出して校門で夜学に登校してき渉と衝突します。泣いている園子をみてドキッとする渉、本を拾ってあげていると慌ててそれを掴んで謝り逃げていく園子、本を取り違えてしまいました。まさに「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」の世界ですね。

しかしながら、この2人はぶつかるまでにいったい何回偶然にすれ違っているのでしょうか?八王子駅で電車の中と外、松本駅で電車から降りる時、松本電鉄の中と踏み切り待ちの車、そして松本電鉄の電車の待ち合わせ。それだけの何気ないすれ違いを経てぶつかったのだとすれば、この出会いは必然であり、この物語が一種のメルヘンであるということの主張なのかも知れませんね。

第2週

信濃荒井駅で‥園子、渉から逃げる

電車のすれ違い、下校する園子と、投稿する渉。反対側の電車にいる園子に気づいた渉が、園子の落とした本を返そうとしますが、慎司とのケンカを見てて3万を盗んだ本人と勘違いしてしまっている園子は思わず渉から逃げてしまいます。園子のひどく怯える表情が真に迫ってました、酒井さんの演技力の勝利でしょう。園子が車内に逃げたとこで扉は閉まり電車は発車、「宙の名前」を持ったまま渉はその場に取り残されてしまいます。園子の勘違いが渉の心を傷つけてしまう悲しいシーンです。それでも渉は園子の本をちゃんと図書館に返してましたね。また勘違いの元となった3万円も定時制の同級生から渉に帰りましたが、そのまま慎司の机の中に戻しておきましたね。渉の境遇は厳しいですがその心は汚れてはいないようです。またその場を見ていた慎司によって渉への疑いは全て晴れたようです。このあと慎司はかなり渉のことを信頼するようになった感じでもありますね。

「あの机の星座、あなたですよね」

放課後、園子が定時制で投稿する渉を下駄箱で待っています。取り違えた渉の本を返す園子、電車で逃げてしまったことを謝ります。渉は園子に「もういい、慣れているから」と答えてましたが、その心は大きく傷ついていることが判ります。つづけて、机に彫られた星座のことを尋ねる園子。尋ねる時の園子の言葉&表情が絶対にこの人だと確信に満ちている感じなのですが、おそらく渉には尊大な感じに見えたのかもしれません。渉はそれを「知らない」といい、園子から返してもらった本(銀河鉄道の夜)も園子の見ている前でゴミ箱に捨ててしまいます。そのときに園子は顔がさっと変わりましたね。ここも酒井美紀さん非常に演技がうまいなと感じた部分です。

第3週

天文台での渉と園子の会話

前半の名シーンのひとつですね。渉の父親の命日に、偶然、生前に彼の勤めていた天文台に来ていた園子たち。夜中に優介の為にジュースを買いに本館まで来て、そこにいた渉と母親の会話を聞いてしまいます。そのあと、天文台で父親の供養する渉のところに行く園子。そういうところ園子は非常に積極的ですよね。「入っていいですか?」といって中に入って行っちゃうし‥汗。天文台での2人の会話は白線流しの中でも名シーンの1つでしょう。特に「太陽と惑星」の話、そして園子の「世界が違うなんて思いません」そして「太陽じゃないですから‥」というあたりは、その後にも関わる重要なものとなっています。

ちなみに、ちょうどこの間に熱にうなされる優介がうわごとで「木星はね‥」と、園子に教えるために勉強してきたことをいうのですが、その内容は、木星は木星としての役割があるというもので、もしかしたら渉のお父さんの本からの知識だったのかもしれません。また、その際の木星とは園子との恋愛に関する優介自身の立場を示しているものと思われます。

第4週

信濃荒井駅〜踏み切りでの園子と渉

ここはおそらく、白線流し屈指の名場面でしょう。どこか1つだけ好きなシーンをと云われればココを挙げるファンも多いはず。まどかに(人に踏み込むの避けている)園子には他人の気持ちは判らない、そして父親からは、他人の気持ちは聞いて話してわかる、それも一度だけでなく何度でも繰り返し聞いてわかる、といわれて、渉に手紙を書く決心をする園子。でも書いたその手紙は渉に届く前に邪魔者の手を経て学校の掲示板に貼り出されてしまいます。傷つく園子。そんな中でも、渉に対しては「そんな人じゃない、‥そう信じたいな」といってます。指定した日に、約束の場所で待つ園子、しかし渉は現れず、夕暮れ時ひとり帰路につきます。一方の渉は、掲示板に貼り出された手紙を取り去った優介を介して園子の気持ちと手紙の内容を知ります。当日、茅乃の仕事を手伝い遅れてしましましたが、指定された場所に向かう渉。その途中の信濃荒井駅での園子との運命のすれ違い。園子が先に気づいて既に閉まっている渉の乗った電車の扉をたたきます。渉も園子に気づきます。渉を乗せて行ってしまった電車を追いかけて一駅走る園子、途中の踏み切りで力尽きてしゃがみこんでいると、闇の向こうからなんと渉が全力疾走で‥。これまでの疑念が全て晴れて更におつりが来るくらいの見事な顛末です。このくらいデキスギでないとねっ。

第1話からこの4話までで、ひとつの話(園子と渉の出会い〜心が通じるまで)が描かれています。連続ドラマの中でもこの前半部分の話は、そこからあとの後半に比べると、特別な大きな出来事があるわけでもなく(ラブレター掲示板に貼り出されるのは本人にとっては大事件ですけど‥)比較的淡々と物語が進んでいるって感じです。次の第5話から先は、いろんな出来事が毎週のように起きますので、そういったあまりに大事件の連続に比べると、すっきりまとまっている前半の4話(もしくは、第5話の前半、園子と渉がデートを繰り返す辺りまで)が特に好きなファンの方々も多いようです。

第5週

信濃荒井駅〜渉を待つ園子〜渉と園子の会話

第5週は前半は上り調子、後半はドキドキの展開の週です。6時の門限を破って門限が5時に変更されてしまった園子は速攻下校で嬉々として?帰ります。そして途中の信濃荒井駅で渉の乗ってくる電車を待ちます。渉がいなくてがっかりする園子、の後ろに渉の影が‥。気づいて園子の表情がぱっと明るくなります。酒井さん凄い演技力です。大学行かないんですか?と園子。渉との距離が少しずつ近づいていく瞬間ですね。渉がゴミ箱に捨てた銀河鉄道の夜、の単行本がなにげにいい仕事しています。笑

「大河内さん」

学園祭で移動してしまった(星座入りの)机を元に戻そうと早朝1番に教室に来る園子。すると、既に机が戻っている‥。当然そんなことするのは渉しかいないのですが、念のためでしょうか、冬美に確認します。「動かさないよ、机なんか」と云われ、ぱっと笑顔で明るい表情になる園子。ここも酒井さんの演技力が光ります。こんなちょっとしたところでも凄いなと思います。園子の感情が手に取るように伝わります。更に、まどか、冬美に「あの定時制」扱いされて、「大河内さん」と指摘する園子。ちょっとふてている感じが可愛らしいです。

夜の電話〜信濃荒井駅(待ち合わせ)〜デート

机を戻してくれたことをネタに渉に電話をかける園子。本当に積極的ですね。学校では常に髪をうしろにまとめてポニーテールにしていますが、夜は解いているのでちょっとオトナっぽい感じです。本編で髪を解いている園子って、自宅以外ではあまりないですよね。蜘蛛がでてきて、ちょっとおどおどするのと、渉の方ではゴキブリがでてきて‥でお互いの感情が更にときほぐれます。2回目の信濃荒井駅ではもうお互いに待ち合わせって感じでしたね、そのあとシーンが変わるたびにどんどん衣装が変わっていくので2人が何度もデートを重ねているのが判ります。この週の最後のあと○○日、は前回から一気に進むのですが、かなり時間の進行が早い週だったみたいですね。このあと、茅乃が仕組んだ罠でとんでもない事態が起きますが‥それまでは本当に幸せな時間の2人です。

第6週

「そんなこと今言わなくたっていいでしょ」

茅乃のしくんだ暴漢に襲われ怪我をした渉を病院に泊めた次の日の朝、朝食での一コマ。渉に対して、園子のお母さんが大喜び、園子が太るのを気にして全然食べないから作り甲斐がないとの発言に、園子からの一言。なんかこの朝のシーン、園子と渉の2人の箸が両方からお漬物をつかもうとして、二人でためらったり、典型的なシーンだよなとも思ってしまいました。気になる男の子と1晩同じ屋根の下にいた次の朝だから‥ドキドキですよね(親もいましたけど)。

夜の公園で話す園子と渉

ここも名シーンですね。渉が七倉医院に傷の具合を見てもらったあと、家を抜け出して追いかけてきた園子との夜の公園にての会話。園子が渉に「あなたはもう独りぼっちじゃない」「あんなに遠くの星でも見ている人がいるように、私あなたのことをずっと見てます‥」といって励ますシーン。最後に二人が抱き合ってコーヒー缶が園子の手からこぼれ落ちるのが印象的でした。またここでも園子は涙を流すのですが、どこかの酒井さんのインタビューで、あのシーンでは涙の出るタイミングが合わずにテイクが重なって大変だった、ということがかかれてました。でも出来上がった場面をみると酒井さんの涙の演技はお見事でした。

「おまえなんて、遊びだよ」

銀行から一人リストラを指示された相馬製作所、渉が辞めなければならないところですが、茅乃が自分から辞めていくことで渉が残れるようにします。茅乃は夜の仕事へ‥。それを聞かされた渉は茅乃を連れ戻しにクリスマスイブの町にでて茅乃を探します。茅乃をみつけ、引きずって連れ戻そうとしているところに、渉の家にクリスマスのケーキやプレゼントを持って行こうとする5人と遭遇。渉は思わず園子に「お前なんか遊びだよ」「定時制の奴等と賭けたんだ、全日の女と付き合えるかってな」「お嬢ちゃんは家に帰って勉強でもしてな」と捨て台詞を吐いて去っていきます。取り残される園子。「どうして‥?」としかいえません。悲しいシーンです。園子から渉さんへのプレゼントでもある、渉のイニシャルのWでもあるカシオペア座があしらわれた手編みのマフラーが無残に車に踏みつけられてしまいます。泣

第7週

「ライバルなんかじゃない‥、全然負けてるもん」

正月まで渉と一緒に渉の部屋に住んでいた茅乃ですが、渉に迷惑をかけているという居心地の悪さに絶えかね家を出て行ってしまいます。東京に行ってホテトルをしようとする茅乃、ちょうどその初仕事の日、東京に出てきていた優介、園子、まどか、冬美に遭遇します。一緒にホテルから逃げ出した5人。仕事に戻ろうとする茅乃に対して、松本に戻ろうといって手持ちのお金を渡す4人。茅野がお金を受け取り去っていったあと、冬美に「園子は人が良過ぎるんじゃないの、むざむざライバルを助けちゃうなんて」と言われての園子の言葉。

以下そのときの園子の言葉

ライバルなんかじゃない、‥全然負けてるもん
私、かなわないよ
あんな風に、自分のこと犠牲にできない

あの人がやることって、
全部渉さんのこと考えて、渉さんのためにって‥
そればっかりだもん‥、勝てないよ

園子からみれば、茅乃のやっていることは園子自身の更に上を行くことであって、そこまで自分自身を投げ出していない園子にはライバルだと名乗る資格さえないと思っているということでしょうかね。

第8週

「お前ら友達だろ、何で俺んとこ来るんだよ」

慎司が山で遭難したのを知り、病院に様子を見に来る渉、無事だと知りほっとするものの、かつて「友達でもない」といっていたのにどうして来たのかをまどかに問い詰められます。そこで慎司が山に入る直前に自分のところに来ていたことを告げる渉。なぜ山に行くことを止めなかったと罵るまどかに対して渉からの言葉。

‥けど‥、こんな話できるヤツは他にいないって俺のトコに来たんだぞ
お前ら友達だろ?、なんで俺んところに来るんだよ?

友達だと思っていても、本当に悩んでいることを相談できないのなら、相談されないのなら‥、そう考えさせられてもしまう一場面です。慎司からみれば、渉も、既にまどかや優介、園子、冬美と並ぶ仲間であって、その中でも既に社会人として先に一歩踏み出している「先輩」でもある渉の意見が聞きたいというのはわからない事ではないですね。この悩みは優介やまどかにいっても答えはでないと思って渉のところにやってきたのでしょう。そしてその事が、優介はじめ皆にも痛いほど判るからこそ、それ以上は誰も何もいえないのだと思います。このあと慎司の記憶がいまだ戻らないことを渉に告げる園子。そして、それに対する渉の言葉に対して咎める園子のシーンは、友達同士ってのはただ甘えあい、慰めあうものだけではないだろう事を感じさせてくれます(内容は先述)。

夜の学校、体育間での園子と渉(園子独白)

慎司の記憶もつながって、万事解決のあとのこの場面、結構好きです。園子から渉への言葉ですがほぼ独白となってます。園子の反省からはじまって渉への意見もはいっていますし、さらに園子から渉への改めての告白にもなっています。とにかく長いセリフで、酒井さんはよく憶えたな、と関心してしまいます。とりあえず、以下園子の言葉全文。

ただ、聞いてくれるだけでいいから‥

まどか、慎ちゃんのそばにいたいからって、
推薦決まってたのにその大学に行くの辞めたの。
辞めたから偉いって言うのじゃなくて、
行くにしても、行かないにしても、自分で決めたの凄いと思った。

冬美も、劇団のオーディション、ダメだったけど、ダメでも見つけている
なんか‥道しるべみたいなもの。
慎ちゃんだって、自分でなにかしなくちゃって、山に登ったんだと思う。

じたばた‥もがいている

私はもがくこともしていない気がする
いろんなことに縛られてる自分が情けなくなってくるの
結局、縛られてるんじゃなくて、自分で勝手に縛りつけているのよね

何もできないって何もしない‥一番ずるいよね‥、渉さんもそうみえる
結局、どこかであきらめてる
何もしないうちから‥あきらめてる。

私は忘れてもいい、つまらない思い出にしかなれなくてもいいけど、
思い出すより、先に進むことが大事だって、父は言ってたけど、
思い出があるから先に進めるって、そういう力にしたいから、
私は記憶失いたくない、‥忘れたくない。

あの夏のおわりから、今までのことずっと‥、
渉さんのこと、絶対忘れたくない。

改めて見てみると、これ渉への告白ですよね。‥園子すごいなぁ。このあと、渉は深志神社に奉納された園子の絵馬に書かれた願事「渉さんの夢がかないますように」を見て星を見上げます。そしておそらく同時刻、かつて二人で抱き合った公園で一人座り星を見上げる園子。これまでの園子の気持ちは改めて渉に通じたのだと思います。結果的にもこれ以降(少なくとも連ドラの中ではずっと)、もう渉は園子の気持ちを裏切るようなことはしなかったですよね。

第9週

定時制教室、渉と定時制生徒、園子

優介の父親が警察に捕まったことを知っている定時制生徒2人(いつもの2人組、笑)が、優介の席に花瓶の花を持ってきて、お参りをするシーン。そのあと、渉はその花瓶の水を片方の定時制生徒の頭にかける。怒る定時制生徒2人。「みっともねぇよ」「何もしないでひがんで‥、諦めちまって‥」と渉。どこかで聞いたことのあるようなセリフですね〜笑。「じゃあ、オマエはどうなんだよ、〜!」ってとこで、入り口でそれを聞いていた園子が割って入ります。さすがに定時制の生徒2人、動きが止まっちゃいましたね。そういえば、彼らが園子本人を見るのは初めてなのではないでしょうか?ずっと手紙いたずらしたり、ちょっかいかけていたしこのときも、「全日の女と付き合っているから〜」といっていたし。実際に目の前にその園子がやってきて、しかもあれだけ可愛かったら‥何も云えなくなるかもしれませんね。「大丈夫ですか」との園子に対して、「オマエが今心配してやるのは俺じゃないだろ」と渉、その通りですね。渉の優介への思いは園子と一緒ですね。

ところでいつも登場するこの定時制2人組、演技うまいですね。特に、水をかけられた方、そのあとのセリフがよどみなく出てきていたのでびっくりでした。

屋上での励まし会のあと、夜の学校から出て園子と渉

優介への励ましに成功したあとの渉と園子の会話。友達のよさが渉にもわかって前向きモードな渉です。園子が「みんな渉さんの友達じゃないですか」から拡大してとっても優等生的な発言をしますが、渉にとってはもう嫌味には聞こえていないですね。渉が園子にとっても前向きになってそれを園子に報告します。園子とっても嬉しそう。園子の「星は逃げません。来年も再来年もずっと瞬いていますから」がいいですね。こういう前向きな考え方はとってもいいですね。渉も素直に返事してますね。そのあと、「春にはお別れですね」で園子寂しそうだけど、でも渉の夢の実現の為にはそんな自分の寂しさは我慢ですね。最後に渉が「ありがとう」って園子に言うのがとても誠実さがあって素直な言葉で嬉しくなります。園子も嬉しそうですね。

第10週

オープニング・モノローグ(園子の独白)

園子のモノローグは、ドラマの第1回、最終回にでてきましたが、この最終回前にもあります。これまで皆の成長を応援し、そして応援している仲間が成長するのをみて喜ぶべき園子に、ちょっとした変化があることがこの独白ではつづられています。そう‥園子自身が成長できているか‥です。園子は皆が成長するほどに自分が前に進んでいないのではないかと感じ、焦り始めているようです。以下、園子のオープニング・モノローグ。

歩き出した
みんな、歩き出した
まどかが、冬美が、慎ちゃんが、長谷部くんが、
少しずつ先に進んでいる
渉さんも、いままでの自分から変わろうとしている

嬉しい‥、ただ単純にそう思えるはずだった‥

でも、どこかで焦っている
私はまだ何も見つけられないでいる
置いていかれる、私だけ‥取り残される

この週のテーマはかなり明確です、しかも結構本質を捉えていて奥深いものだと感じます。これまで園子は、応援している仲間たちが前へ前進していくことを願っていました。でも現実に彼らが前進を始めたとき、園子は逆にまだ何も見出せないで焦っている自分を発見してしまうのです。園子と渉の恋愛関係以外では、これまでの週では、慎司(遭難)や、優介(親の不正疑惑)など、園子の仲間ウチに起こる事件が焦点となってきていました。そしてこの週ではこの焦る園子自身がまき起こす事件が軸となって話が進んでいきます。

渉の部屋で渉を勇気づける園子

母親が再婚した相手が事業に失敗し東京を離れることになって、アテにしていた東京での生活先が適わなくなってしまった渉。ついてない人間はどこまでもついてないと落ち込む渉。「そんなことぐらいで辞めないでよ」と園子、「そんなこと‥、俺にとっちゃはそんなことじゃない、簡単に言うなよ」と渉、確かにそうですね。「なんとかするモン」と健気な園子ですが、結局できるのは自分の親に支援をお願いすることくらいなんですよね。これは園子には親がいるからできることで、その親に頼れない渉にとってはホント死活問題なのです。結局簡単なことではありません。それでもそのあと、園子の親もちょっと無茶な園子の提案を受け入れてしまうのが凄いとこです。いくら開業医のお医者さんで一人娘からの頼みといってもなかなかできませんよ、これは。

ここでひとつ気になるのは、園子が渉を励ます場面で「私も渉さんの夢がかなうことが自分の夢だと思って‥」と言っていることです。これは一歩間違うとちょっと危険な考え方です。特に自分の本当の夢を見出せないでいる状態の園子にとっては危険思想です。この発想がどう危険なのは本編のあとに作られた続編(スペシャル)の3作目(旅立ちの詩)でわかります。自分の夢は自分の夢、それを実現させながら相手の夢の実現を願うのが正しい考え方です。要は自分の夢を相手の夢に依存させないことです、夢の依存はいけませんよ‥ね。また最終回に園子が小澤先生に言った「人に夢を与えるのが私の夢」との違いにも注目です(こちらは健全)。両者は一見似ているようで実は全然違います。

2次試験のあと、松本北高校〜天文部室、園子、小澤先生、渉

ここは物語後半の名シーンの1つですね。ヒロインが受験から逃げ出しちゃうってのも凄いですけど。園子も十分事態に気づいていて自分が情けないと反省していますね、この、天体望遠鏡を抱えて学校へ〜園子の告白(小澤先生への)〜園子の告白(渉への)〜渉から園子への励ましは、いいシーンの連続です。セリフについては先述ですので省略。この週では最初から園子に焦りが出されており、園子が試験から逃げ出したい雰囲気が漂っていて、むしろ渉の学費についての親からの条件(園子が大学に受かったら)なんかも自分を奮い立たせるための理由付けとして役立てようとしたようです。園子のお父さんもそのあたりのことを微妙に感じ取っていたからこそ、園子の提案を受け条件を出したのかもしれませんね。ダテに18年も園子の親をやっていないようですし‥笑。

ちなみに、園子は家にあった天体望遠鏡を学校の天文部に寄付しに持って行くのですが、この天体望遠鏡に関する行為にはココ以外も含めてちょっとした意味があるのではないか、と感じています。園子は半年で答えがでるか判らない「高校生って何だろう?、高校時代ってこんなものなのか?」を探すこの時期に部屋の片隅に埋もれていた天体望遠鏡を取り出しました。そして星を通じて渉と知り合い、渉を応援する中から、自分の夢を(それこそ星の数ほどある中から)探そうとしていたと思います。そんな中での天体望遠鏡とは園子自身の「自分探し」の象徴でもあるようです。それを「誰かに使って欲しいから」と学校に寄付する行為は、自分にそれを求める資格がないものだと自信喪失していることを顕していると思います。結局、園子の天体望遠鏡はそのまま寄付されてしまったようですが、でも園子の自信は渉の言葉や彼の大学受験の決心によって回復されていったと思います。ちなみに、天体望遠鏡は続編のスペシャル(SP1、19の春)で、北海道の渉に会いに行って、自分の目標とペースを取り戻した園子が東京で再び購入していました。また臨時教師になって松本に戻ってきたとき(SP4、二十五歳)の冒頭、引越しのシーンではしっかりと後部座席に積みこまれていましたね。反対に園子が教師の夢から離れていた大学卒業前後(SP3、旅立ちの詩)ではほとんどでてきませんでした。園子の天体望遠鏡にはそういった意味も込められているのではないかな‥、と勝手に推察しています。

最終週

松本北高校からの帰り、松本電鉄電車内

冒頭、前回(第10週)の最後からの引き続いて、ここでも渉が園子を慰めます。それは言葉ではなく行為として。帰りの電車の中で、北海道の天文台の広告見つめる渉、それをみて園子が謝ります。園子が取り付けた約束は「園子が合格したら」渉の援助をしてもらえるということでした、園子は受験すらしなかったのですから、その約束はもう果たされることはありません。でも別れ際に渉は、「大学を受ける」「夢は諦めない」といいます。園子にとっては渉が自分の夢に向かって前進してくれることが望みだったのですから、非常に元気づけられたと思います。以下、園子から渉へ、渉から園子への会話。

(園子)
ごめんなさい。私、2人分の夢、壊しちゃった‥

(渉)
俺、受けるよ、
受験しようと思っている
だから、心配すんなよ
まだ夢は諦めてないから

扉が閉まってからの園子の微笑み、最高ですね。

岐阜県県立斐太高校、白線流し

やっぱこのシーンは入れておかないとダメかなということで。源さんは最終回前にいきなり登場して、白線流しのことを園子に教えて去っていきましたが、園子が源さんの墓参りに行くことで、直接本物の「白線流し」を偶然にも見ます。このドラマの最終回には自分たちの白線が流れるのがはじめから決まっているようなドラマですので、その動機付けとなるのですが、やはりドラマ全体のモチーフとなっているので本物の「白線流し」の映像が登場してましたね。

松本北高卒業式、園子モノローグ

松本北高校での園子たちの卒業式のとき、園子のモノローグが入ります。

これで終わるのだろうか?
本当にもう卒業なのだろうか?
これでお別れなのだろうか?

卒業するってこんなに簡単なことだったの?
本当にこれでいいのだろうか?

学校での卒業式に対しての疑問ともとれます。高校は毎日ちゃんと学校に通って課題をこなしてテストを受けて、そうして3年過ごせば無事に卒業となります。そういった学校の「卒業」と、高校生という曖昧な時代からの「卒業」の差を疑問視することから出てくる悩みかもしれません。学校は卒業したけど、高校生時代を卒業できていない人とかって案外いるのかもしれません。

それは、このドラマの最後の園子のモノローグにもある、「時期が来たから押し出されるように卒業した」(=前者)と、「自分で悩んだり考えたりしたから卒業できた」(=後者)となるのかもしれません。いずれにしても、後者の意味で卒業をすることが大切で、そのためには思いっきり「頭と心を使う」ことが必要とされるということですね。このドラマ(園子と渉たちの卒業までの半年間)は後者の意味での卒業に焦点をあてた物語ということなのでしょう。

河原での白線流しの提案〜白線流し〜みんなの旅立ち

やっぱここはオススメですね、白線が流れるシーンでは当然のごとく各名シーンのプレイバックも流したりして。今後のSPでも繰り返しこの白線流しのシーンが流れ続けるのだろうということでは、まるで「ちゅらさん」の時の小浜島での岸壁の別れのシーンみたいです、〜笑。優介が茅乃も呼んでいて、皆が白線とスカーフをつないだ頃に卒業式を終えた渉も合流します。白線が途中で突っかかってしまったシーンで、慎司たちが流そうとして川に落ちてしまいますが、なんか凄いですね、あそこはもう演技とは思えん〜汗。駅での別れのシーンはロケではなくてなんか完全に普通に一般に混じって撮影していた感じですね。音声さんとかが大変だっただろうなと‥。

松本空港、渉の出発、園子との別れ

空港シーンの初っ端、両親の車を降りた園子が父親から「一緒に乗っていくなよ」、といわれ。「何いってんのよ」のシーンが何気に好きです、笑。渉と出発ロビーにエスカレーターで登る2人、園子が渉に話しかけるのですが、ここだけ少し語調が違いますね。これまでは、「〜ですね」とかだったのに、ここだけ「〜だね」「〜かな?」など、気さくな語調になってます。‥なぜ??、笑

ここからの園子と渉の別れシーンは後半の名場面の1つですね。そしてクリスマスの時に渡せなかったあの手編みのマフラーがついに渉の首に巻かれましたね。それにしても園子と渉の身長差は凄いですね。あの小ささが園子の魅力の1つだったりもするわけですが‥。しかし、渉は振り返りもせずに行ってしまいましたね。そのあたりに何か隠された意図があるのかどうかがちょっと気になるところです。

教室の夕暮れ、園子と小澤先生 〜 エンディング

園子が小澤先生に「私は、人に夢を与えるのが私の夢だって」と、学校の先生(=教師)になる決意をするところです。そのあとの小澤先生の言葉がいいですね、とっても参考になります。そう‥、結果でなく方法を学ぶんですよね。

学生時代って、大切なのは何を学んだかじゃなくて、どうやって学んだかだと思うの
どうやって仲良くなって、どうやって喧嘩して、どうやって仲直りしたのか
このクラスで得たものが、公式や英単語ばかりじゃないってこと‥信じてるわ

最後のエンディング、園子が予備校から出て本屋で参考書買って、そのあと最後に橋の上にいる園子の空撮〜松本市外〜山々の映像がとても素晴らしいです。ところでラストシーン、園子はジーパン姿になってますが、連ドラ中、それまでほとんどそういった格好を園子はしていません、園子はそれまでは私服ではワンピース姿やオーバーオール、または後半ではコートを着ている事とかも多くてわりと幼い感じにみえました。春になって予備校生になりジーパン姿になっただけでも園子がちょとだけオトナになった感じがしました。これも狙ってやったことかもしれませんね。

 

最後に‥

このドラマは是非いま高校生で真っ只中の人、また、中学生でこれから高校生になる人には一度見ていただきたいですね。連ドラ「白線流し」は今はもう古いドラマでもありますがご覧になっておけば、今の、またこれからの学園生活がさらに豊かになる(というか実りあるものにしようと自分自身が思える)ドラマだと思います。


私たちは時期が来たから押し出されるように卒業したのだろうか?
それとも自分で悩んだり考えたりしたから卒業できたのだろうか?

本当はどうなのか、誰にも判らない
でも、こんなに頭と心を使った時期はいままでになかった
たった18年だけど (by 園子@エピローグ)

 

園子イラストのプレゼントいただきました

さい@さいはイラストなど描けませんが、お友達に書いていただきました〜(^^)
白線流しの古くからのファンで、飯野まどか支持者のMSSさんからです。

MSSさんのHPにてリクエストを募集していたので、是非、七倉園子をとお願いしていましたら聞き届けていただけて、高校時代の園子のイラストを頂きました。絵心のないさい@さいのHPはほとんど字ばっかりなので、嬉しくてコレは是非にと掲載許可までいただきました。しかも‥高校生時代の園子ですからね。

七倉園子 by MSS [here]

MSSさんは池脇千鶴さんのファンでもありますし、さい@さいのHPの池脇リンクではMSSさんの主催する池脇さん専用ファンサイト(C-ch.)の紹介をさせていただいてます(いまこちらのサイトは通常は活動停止中で公開のみ、でも年に1回、池脇さんのお誕生日の日に活動をするという方針のようです)。

MSSさんの本家イラストサイト(MSS Illustrations site: 好きな人の顔を思い浮かべると、いつも笑った顔が浮かんでくる。)は活動をしていまして、今回はこちらのサイトにリクエストを出したところお願いを聞届けていただけた‥という感じです。

MSSさんの本家イラストサイトをご紹介させていただいて御礼とさせていただきます。 本当にどうもありがとうございました。。

MSS Illustrations site [here]

 

以上、長々と失礼しました

とりあえず‥思っていることを書きつづってみました〜(^^)
またそのうち読み返して、思いついたことがあったら書き足して行きたいと思います。

さい@さい的には「白線流し」の話題は大歓迎です。もし感想とか、ご意見とか、質問(答えられないことが多いだろうけど‥)とかありましたら掲示板の方にカキコを宜しくお願いします。掲示板へは下記のリンクから行くことができます。

さい@さい掲示板 [here]

最終更新日:2005/1/30